社内の人間関係の把握ができていないことが、降格につながる？セクハラ、パワハラに気を付けるべし

社内セクハラは多い。

特に階級を上りつめた人に多い。

怖いのは自分がセクハラをしていることに気づかないことだ。

たとえ問題になっても、こたえない。処分が甘いからだ。

セクハラ部長が戻って来たと社内がざわついた。

半年前、同じ課の女子のお尻を触って九州に飛ばされたＹ部長が戻って来たのだ。

触った、触らない、の問題だったので、結局処分という形にはなったが、単に移動。

ペナルティーは何も無い。

いわゆる触り得という奴だ。

触られた方の女子が寿退社で辞めたので、それを待っていたかのように戻って来た。

ありえない人事だが、Ｙ部長が人事の部長だったから話がややこしい。

普通なら他部署に移すのに、Ｙ部長は大阪人事部長から九州人事部長に名前が変わっただけ

ふざけるにもホドがある。

そのおっさんが、わずか半年で古巣に戻って来た。

女子も嫌がるが、男も嫌だ。

セクハラ以上にパワハラがひどい。

恐怖政治さながらの「言うだけ部長」だ。

原理原則を宣い、実行できるかどうかは二の次、出来なきゃ人前で怒鳴り散らす。

完全なパワハラだが、人事部長だ、話を持って行くところが無い。

一応駆け込み寺みたいな部署も設置されているが、そこの責任者も人事部長だ。

泥棒を監視するトップが泥棒なのだ。

我々社員は、救われようがない。

しかし神は我々を見捨てない。

悪人はいつか罰せられる。

そうでなきゃ、善人は救われない。

セクハラ部長が九州に飛び、再び戻って来た時、救いの主が現れた。

東京本社から我が課に、超美人が赴任してきたのだ。

男なら、そのご尊顔を拝すだけでメロメロになる美貌の持ち主。

噂では社長の愛人だという（噂ではなく本当らしい）美人だ。

セクハラ部長が黙って見過ごす玉じゃない。

誰も噂を教えてあげない。

ていうか、怖くてそんな事教えられるはずもない。

メンテ110番に赴任してきた超美人を拝顔しに、社内中の男共が一度は我がセンターに用もないのにおとずれる。

御多分に漏れずＹ部長もその中の一人。

毎朝コーヒーを飲みにおとずれるようになった。

あろうことか、Ｙ部長は超美人にコーヒーまで入れさせる始末。

知らぬとは怖い事だ。

我が社の社訓に、無知は罪である、との一言がある。

まさにその通りだ。

最初は超美人、我慢してコーヒー入れていたがとうとう切れた。

我々の前でＹ部長に「あんたのコーヒー入れるために会社に来ているんじゃない」

と小気味よい啖呵を切った。

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啖呵はすばらしいが

皆（じゃあ何のために会社来てるんだ）と突っ込みを入れたと思う。

だって、この美人さん、普段何もしないんだもん。

ていうか、元々仕事自体、与えられていないんだもん。

どう考えても、特別待遇、しかし係長がそれをヨシとしているのだから、誰も何も言えない。

おそらく、社長の奥さんに愛人の存在疑われ、慌てて大阪に隠したと、皆の噂。

とんでもない会社だ。

これでも業界上位の会社というのに、内情はこの体たらく、いつか潰れるぞ、本当に。

Ｙ部長、怒ると思いきや「そうか、そうか」とニヤツキながら部屋を出て行った。

Ｍ気質なのかな？　Ｙ部長は。

そう思ったが、そうではなかった。

あろうことか、コーヒーを入れてもらったお礼に美人女子を食事に誘ったらしい。

何て素早いナンパ部長なのだろうか。

性欲は年とはやはり関係ないらしい。

Ｙ部長59歳。一応あと一年で定年候補生だ。

この手で何人の女子社員毒牙にかけたのだろうか？　と少し心配になってきたが

あの顔じゃ、それもないかと打ち消した。

バスケットボールみたいなブツブツ顔のＹ部長。

いくら権力をかざしても、ついてくる女子がいたとは思えない。

結局、Ｙ部長、定年前にグループ会社に飛ばされた。

それも平社員で。

超速攻、例外的な速さの人事異動だ。

余程誰かの逆鱗に触れたのだろう。

それにしてもだ。

セクハラする奴は確かに悪い。問答無用で超悪い。

しかし、セクハラする相手によってこうも極端な現実を目の当たりにすると

権力の恐ろしさをまざまざと感じる。

セクハラ、する奴もする奴だが

それを言いつけ

その報復に島流しまでするなんて

言っちゃあ悪いが、罪はたかだか食事を誘っただけだろ。

それで子会社に飛ばされる、しかも平社員で。

笑うより、空恐ろしさの方が身に染みる。

社訓、無知は罪である。

まさしく、骨身に染みこんだ事件だった。